ボブ神



 ブリンギングイットオールバックホーム。


 僕はバイトの日は、毎朝早めに起きて、音楽を聴きながら朝食をとって珈琲を飲んで、それからバイトへ行くまでの1~1.5時間、ギターの練習をする。まあ最近では練習と言っても、曲を覚えたり、ギターアレンジを考えたりが多くて、また今月も忙しいのでやることは山積みである。  


 昨日もいつものように早めに起きて、音楽を聴きながらパンと珈琲の朝食にした。音楽は、『BOB DYLAN / Bringing It All Back Home』。言わずと知れた我らが神BOB DYLANの最高傑作の一つであり、弾き語りからバンドサウンドへの転身となった重要作品。今まで数え切れない程聴いてきたはずだけど、昨日はまた一段と素晴らしくて聴き入ってしまい、パンも食べかけ、大好きな珈琲さえも飲みかけで冷めてしまった。やるべきことが山積みなはずなのにギターも練習できず、 11曲47分21秒を聴き終えたあともしばらく放心状態。時間がやばくなって急いで仕度をしてバイトへ出かけた。


  ディランのアルバムではたまにこういうことが起きる。何度となく聴いてきた作品でも、ある日突然、今までもこの上なく素晴らしいと思っていたのにさらにその上をいく素晴らしさを感じて身動きが取れなくなる。この日もそれによってギターの練習をしそびれたけど、それでも構わない。あんなすごい感覚を覚えられたのだから。練習よりも大切な感覚だと思っている。 


 ディランの音楽は聴くたびに新たな発見がある。だからいつ聴いても新鮮さがある。自分の中で育っていくのである。 


 BOB DYLAN。神である。僕は自分がBOB DYLANを聴いて育ったことを誇りに思うし、BOB DYLANを好きなことが嬉しくてたまらない。きっとディランフリークの人達もみんなそうなんだろうな。